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新宿署「痴漢冤罪自殺事件」



新宿署「痴漢冤罪自殺事件」



  1. どうせ有耶無耶にされているのだろう。警察は保身のために建前を尽くして罪を深くすることがある。公務員犯罪に特徴的なこと。しかし、神も仏も見ているし、何よりも己は真実を分かっているのだ。閻魔様からお仕置きされるのは必至。苦痛の無限地獄に落ちるだろうか。


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痴漢冤罪で自殺した25才の青年、死の直前に書かれたメッセージとは? 名誉回復に向けて警察と闘う母の奮闘
 

2015.12.02
~【ジャーナリスト渋井哲也のひねくれ社会学】都市伝説よりも手ごわいのは、事実だと思われているニセモノの通説ではないだろうか? このシリーズでは実体験・取材に基づき、怪しげな情報に関する個人的な見解を述べる~

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画像は、原田信助さんの国賠を支援する会より

 2009年12月11日朝、東西線早稲田駅で大学職員の原田信助(はらだしんすけ)さん(当時25)が電車にはねられた。自殺とみられているが、原田さんは亡くなる前夜に新宿署で「痴漢容疑(迷惑防止条例違反)」での取り調べを受けいた。この痴漢容疑は「人違い」だったことが判明していたが、原田さんはそのことを知らされず、絶望の末に自殺に至った可能性がある。

 さらに、この取り調べには違法があったとして、遺族の母親、尚美さんが東京地裁(小海隆則裁判長)に提訴している。

【事件概要】

 訴状などによると、09年12月10日夜、原田さんは宇宙開発研究機構(JAXA)から転職した私大での歓迎会のため、吉祥寺付近で飲んでいた。その帰宅途中、JR中央線から山手線に乗り換えようと、山手線のホームに登る途中で女性とすれ違った。女性は「(原田さんが)お腹を触った」と主張し、口論に発展。それに気がついた女性の友人らが原田さんに近づき、喧嘩となった。争っている中、原田さんが110番通報をする。警察は現場に到着すると原田さんに、暴行の被害者として調書を取る、と説明し、新宿署へ向かわせた。このとき、この痴漢が人違いであったことが判明している。しかしこの後、原田さんは被害者ではなく痴漢の容疑者としての待遇を受ける。そして11日に原田さんは自殺。その3日後、新宿署に謎の「特命捜査本部」が設置され、真実を公開することなく被疑者死亡のまま書類送検。不起訴として事件を葬った。しかし、原田さんの母親は自殺直前に録音された原田さんのICレコーダーを見つけたのだった。そのICレコーダーには確かに、相互暴行の被害者としてではなく、痴漢行為の被疑者としての事情聴取が記録されていた――。


■証人尋問

 今回の証人尋問は11月17日、東京地裁で開かれた。この日、証言台に立ったのは証言順に、S新宿署生活安全課長(当時)とT新宿署長(当時)、そして、原告の原田尚美さんの3人。被告側の関係者の証言は二度目だ。前回は3月9日。原田さんの110番通報を受けて現場に向かった新宿駅西口交番の警察官2人、現場から報告を受けた地域課の警部補、信助さんの死後に設置された「特命捜査本部」の責任者で刑事課のM警部補の4人だった。今回の2人を含めれば、被告側の関係者の証言は6人目となる。

<新宿署長の陳述書>

「今回の裁判で原田さんの母親は、警視庁本部からの指示を受けた私が原田さんを痴漢行為の被疑者として仕立て上げるための捜査をするために、『特命捜査本部』を設置したと主張していると聞きましたが、そのような事実はありません」

「防犯カメラの解析結果をはじめ捜査によって収集された証拠に基づく事実関係から、原田さんは迷惑防止条例違反の嫌疑があると認められたため、原田さんを被疑者とする本件被疑事件を送検するに至った…」

「09年12月11日の朝、生活安全課の警察官から原田さんからの110番通報事案の取扱状況の報告を受けた。臨場した地域課員(新宿駅西口交番の警察官)が新宿署に任意同行。生活安全課の警察官が事情聴取したところ、JR新宿駅構内で女性が原田さんから痴漢行為(お腹を触られた)を申し立てたことを発端に、女性と一緒にいた男性と掴みあいになった」

「ただ、署内での任意同行の時点では、原田さんが痴漢行為をしたか否かは特定できなかった」

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「110番情報メモ」

 ちなみに、原告が証拠提出している警視庁保管の「110番情報メモ」によると、

「痴漢容疑で本署同行としたが、痴漢の事実がなく相互暴行として後日地域課呼び出しとした」「現認した被疑者の服装と(信助さんの)服装が別であることが判明」とある。

 つまり、本署での取調べが行われている頃には、痴漢は「人違い」だったことが判明していたということだ。


 原田さんは事件当日、相互暴行の被害者として新宿署に任意同行したにもかかわらず、何もわからないまま、新宿署では、痴漢の被疑者としての取り調べのみが行われたのである。

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画像は、死の直前書かれた原田さんのノート

 原田さんが当時書かれたとされるノートには「話が合わないんだよ」などと書かれている。翌朝、新宿署を出た後、原田さんは自殺した。



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2015.12.02

■防犯カメラに映っていない痴漢行為が違反の「証拠」?

 同署の「特命捜査本部」は最終的には原田さんを迷惑防止条例違反の被疑者として、被疑者死亡のまま送検することになる。そう判断したのは「防犯カメラの解析等」だとしている。JRが警察側に提出したものだ。尚美さんが入手した、事件当時とされている防犯カメラの映像には、もめているシーンはあるが、痴漢行為をした明確な映像はない。

 特命捜査本部の指揮にあたった警部補は防犯カメラの映像は見ていない。新宿署長も見ていない。生活安全課長は見たというが、「(原田さんが痴漢と)断定できる映像はなかった」と証言した。また、警部補は目撃者探しもしていないが、新宿署長も、生活安全課長も進言していない。繊維鑑定も行われなかった。

 さらに、実況見分もおかしい。

 警察は原田さんの死後、原田さんと女性がもめた現場は「(階段下の)通路」だとしているが、当事者双方の証言では「階段」となっている。


■事件現場すら特定できてなかった警察

 現場が違っていることについての尋問が行われた。

原告代理人 原田さんの110番通報の現場は?

署長 はっきりしない

原告代理人 犯行現場は、階段か通路か。

署長 階段付近という話はあったかも。

 3月に行われた証人尋問で、地域課の警部補とこうしたやりとりがある。

警部補 痴漢の現場で、階段の途中。彼女は下に歩いてきた。

原告代理人 喧嘩の場所は?踊り場?

警部補 供述調書では、階段もしくは通路。

原告代理人 どうして変わったのか?

警部補 内容としては一緒ですよね?

原告代理人 場所が一緒ではない。  

 また特命捜査本部のM警部補の証人尋問ではこうしたやりとりもあった。

原告代理人 被害女性の供述で、痴漢にあった場所が「階段」になっているが、変わっている?

M警部補 階段降りて行った先に通路で被害を受けたということがありますので、階段付近でというのと供述は矛盾しない。

 当初の女性の証言では、階段ですれ違ったときに、お腹を触られたことになっている。その後、痴漢行為を見ていないものの、女性の友人と原田さんが相互暴行に発展した。いまいち、証言ではわからないままだ。尚美さんが入手した防犯カメラの映像では、もめているシーンは階段のようだ。

 S生活安全課長は当時、捜査に当たっていない。陳述書では「M警部から、防犯カメラの解析等の捜査を進めた結果、原田さんには被害女性に対する痴漢行為をした迷惑防止条例違反の嫌疑があると認められたため、原田さんを同違反の被疑者として本件被疑事件を送致する旨の報告を受けたことから、私は、これを承認しました」とある。

 報告を受けただけで承認したというのか?

 特命捜査本部は目撃者探しをしていないが、T新宿署長もS生活安全課長も、ともに「捜査主任の警部補に任せていた」と証言。捜査方針に口出しをしていなかったと主張した。警察組織として、警部補が指揮している捜査方針にまったく署長も課長も口を出さないことには違和感を抱く。なぜ、警部補の捜査方針に、署長も課長も意見を言わないのか。なにか実際に別のところから(例えば警視庁本部から)、「特命」を帯びていたのではないかと勘ぐってしまう。



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■原田信助の名誉は回復されるのか?

 原田さんの死後、新宿署に出向いて亡くなった理由を聞いた尚美さんに対し、副署長からの説明は「痴漢は特定できずに終わっている」「暴行についての捜査は続けます」ということだった。しかしその後、暴行事件について捜査が行われた形跡はなかった。

 警察のこうした違法捜査によって隠蔽された本事件において、原田信助さんの名誉はいまだ回復していない。

 この裁判はこの証人尋問で結審。16年2月までに原告、被告の双方の最終的な主張を準備書面で提出することになっている。事件発生から6年、提訴から4年半が過ぎた。ようやく、16年3月15日に判決が言い渡される。
(文=渋井哲也/これまでの記事はコチラ)

・特命捜査本部に関する詳しい記事
・痴漢冤罪でホーム飛び降り自殺の青年の無念は晴れるのか? 前回報じた裁判内容




(追記)@2020/04/20

続報が見当たらない。遺族を支援する人はいると思うが、進展が無いのだろうか。風化させてはいけない。 

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