ページ


これは特定の個人の犯罪か組織犯罪か?

組織犯罪でしょう。

犯罪に関与した最高責任者は?



事情はこうだ。

都道府県別の犯罪件数の統計を取ったら大阪が一番多いという不名誉なことになった。犯罪件数を少なくするよう頑張れの檄が首長から飛んできた。姑息なことに数字を誤魔化して(犯罪件数を間引いて)報告して改善がなされたと見せかけた。

頭から尻尾まで愚かさの固まりみたいな笑い話だ。


  1. 統計データの読み方が先ず問題。件数が多いのはそれだけで不名誉な訳ではない。警察が頑張って信頼もあるから全ての事案は報告され統計に反映されている。これだけで必ずしも不名誉なことではない。
  2. 橋下徹の件数ダウンの指示が最低だ。組織マネジメントを経験すればこういう愚かしい指示が組織をダメにすることに気付くが一匹オオカミの経験しかない橋下には難しかった。スタッフがいて必要な修正をやるものだがそれも届かなかった。トップダウン経営の嵌る罠だ。
  3. 減点型・引き算型の目標設定は必ずと言っていいほど失敗につながる。大阪府警は見事に駄目事例を踏襲したものだった。コントロールできるファクターと減少でしかないファクターを混同しているようでは管理者としてはまだまだ素人ということになる。
  4. 犯罪を捕捉するという一番大事なことを大阪は上手くやっているんだから、次にやることは全部捕まえろということだ。検挙率。後、記録は取っていないだろうが市民の満足度を調べることだ。直接CS調査をやってもいいが、検挙までの時間と費用とかをデータにして改善プロセスを追うのでもいい。
  5. それにしても、記録の改ざんは最低。嘘はすべてを失う。厳罰が必要。これではJR北海道と何も変わらない。






社説:大阪府警の偽装 あきれる治安回復工作
毎日新聞 2014年08月02日 02時30分

 大阪府警の全65署が2008年から5年間、刑法犯の認知件数約8万1000件を計上せず、警察庁に過少報告していた。実際より約1割少なく見せかけていたことになる。

 ひったくりや自転車盗など街頭犯罪の認知件数は、大阪府が10年連続で全国最悪だったが、10〜12年は東京都を下回りワースト2に改善したと発表していた。ところが実態は最悪のままだった。数字をごまかしてワースト1を脱しようというあきれた発想だ。治安回復を組織ぐるみで偽装した責任は極めて重い。

 過少報告が始まったのは「汚名返上」が最優先課題となった時期だ。08年、当時の橋下徹知事が府議会で「ワースト1を返上する」と表明し、府警はプロジェクトチームを発足、各署に専門班を設置している。目標達成時期も11年と設定した。

 08年に8810件だった過少報告は11、12年には2万件を超えた。自転車盗の被害届があっても1カ月以内に見つかったり、窃盗未遂事件で実害がなかったりすれば計上しないという独自ルールを一部の署の統計担当者らが作り、各署に広まった。

 不正処理は昨年、堺署で発覚したことから府警が調査していた。署の幹部が発生件数に一喜一憂し、実際の認知件数を計上しにくい雰囲気も生まれたという。ワースト1返上に精神的重圧を受けたと答えた統計担当者も複数いる。上司の顔色をうかがい、不都合なことは隠そうという体質があるのならば一掃すべきだ。

 府警は幹部や署員ら280人を処分したが、組織的な不正指示はないとしている。だが、なぜ全署で不正が起きたのか、上層部は治安回復策をどう指示し、不正に関与しなかったのかなど解明すべき点は多い。

 昨年以降、府警では虚偽調書作成や証拠品捏造(ねつぞう)、誤認逮捕などが次々と発覚している。規律が緩んでいるとしか思えない。

 刑法犯の認知件数は治安情勢を示す重要指標として警察白書にも掲載され、防犯カメラや街路灯の設置場所などもこれに基づいて決まる。地域住民もパトロールなどに取り組む。でたらめな統計は、協力する市民を欺く犯罪行為に等しい。

 警察の不正な統計処理は後を絶たない。04年に発覚した兵庫県警の捜査書類偽造事件は、検挙実績を上げるためで163人が処分された。今年6月には、窃盗事件を検挙したように処理したとして、滋賀、三重両県警の警察官3人が公電磁的記録不正作出・同供用容疑で書類送検された。

 数字に結果を求めるばかりでなく、数値化しにくい業務を適正に評価できる体制が必要だ。府警は組織全体の問題と深刻にとらえて信頼回復に取り組まねばならない。

人気の投稿:週間

人気の投稿:月間

人気の投稿:年間